21
「・・・、伊織?」
外に出てきた会長は俺を見た瞬間に驚いたような顔をしたが、すぐに気まずそうな顔をして、俺から目を反らした。
「かいちょー、別に俺怒ってないから気にしないでよー」
「あ、ああ・・・」
ていうか、あんな顔されたら怒るに怒れないじゃんねー。
俺がヘラッと笑ってそう言っても、会長はどうもすっきりしないのか眉間にシワを寄せていた。
「んー・・・じゃあ、かいちょー。仕事してよー。そしたら全部チャラってことでねー?」
「ああ、わかった。悪かったな、伊織」
「ふふ、俺じゃなくて頼とアイちゃんに謝ってくれた方が嬉しいなー」
会長はそう言うと、わかったと頷いてそのまま歩き出した。どうやら、このまま生徒会室に向かうつもりらしい。
[ 40/157 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
top