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「ん、ぅ・・・」
気持ちよく寝ていると、髪の毛を弄られている感じがして俺はゆっくり目をあけた。
「起きたか、伊織」
すると、隣にはすでに起きて俺の髪を楽しそうに弄っている狼がいた。
「んー・・・今何時ぃ、?」
「あ?ああ、9時」
「・・・はぁ!?」
狼から聞いたその言葉に俺はガバッと起き上がった。
「狼の馬鹿!なんで起こしてくれなかったんだよ!」
「はぁ?オマエが気持ち良さそうに寝てんのに起こせるかよ」
俺が学校に行く準備をしながら理不尽にも狼に怒鳴ると、狼はとてつもなく甘い笑顔でそう言った。
あー、もう!こいつに何言っても無駄だ!!
「俺、学校行くから!」
「おう、俺も後から行くわ」
くそっ、あいつ人の部屋で二度寝する気満々じゃねぇかよ!!
俺はそんな狼の相手をしているのもめんどくさくなり、それだけ言って部屋を出た。
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