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「頼っ、!」
「どうしたの、いお?」
俺が慌ただしく生徒会室に入ったからか、頼は驚いたような顔をして俺を見ていた。
「っは、・・・頼、寮帰ろー」
「へ?あ、うんっ!」
生徒会室に頼がいるのを見た俺は、安堵の息をはいて頼にそう言った。
頼はいきなりの俺の変わり身に驚いたような顔をしてから笑顔でそう言った。
「伊織」
「あ、狼。先来てたんだぁ」
制服から私服に着替えて食堂に行くと、先に食堂に来ていたらしい狼が俺を呼んだ。
「あれ?伊織ちゃん、浪川くんは?」
「アイちゃんはたぶん親衛隊の会議かなぁ?」
俺の親衛隊はアイが纏めてくれてるからだいぶ統制はできてるはずなんだけどなー。きっとよっぽどのことがあったのだろう。
「俺がいるから寂しがるなよ」
「っ、別に寂しがってないしー」
すると、俺の心の内を読んだかのように隣に座っていた狼がそう言って俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
くそう・・・狼のばかやろう
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