「頼、俺風紀行ってくるねぇ?」

「えー、いおだけじゃ危ないよっ!」



今日の分の仕事を終らし、俺が鞄と書類を持ってそう言うと、頼が心配そうな顔でそう言った。


「大丈夫だって。もうあんなことにならないよー」

「うぅん・・・何かあったらすぐ連絡してよっ?」

「はいはぁい、」


俺は心配そうな頼にそう軽く返事をし、ヒラヒラと手を振って生徒会室を出た。


「・・・っ、」


頼にはそう言ったものの、全く平気なわけじゃない。この前のことを思い出すと手が震えるし、足がすくみそうになる。
それでも、みんな・・・特にアイや頼の前では普通でいたいのだ。


「あれ?榎並ちゃんやん」

「っ、・・・あ、萩岡先輩」


すると、いきなり後ろから声をかけられ俺はビクッと体を震わしてしまった。
振り向くと、そこには黒髪に黒ぶち眼鏡のイケメンな男・・・風紀委員長の萩岡 貴文(はぎおか たかふみ)先輩がいた。



 


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