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「あ?なんだよテメェ」
「僕、君に教えたくないかな」
「なんでだよ!?あ、もしかして伊織に何か言われて脅されてるのか!?アイと頼もそうなんだろ!?だからずっと伊織のそばにいたんだよな!?」
二人があからさまな拒絶を見せて断ると、マリモはとんでもないことをぬかしやがった。
もちろん、これには俺たちも食堂にいた生徒たちも唖然だ。
「大丈夫だぞ!!俺が伊織のことをやっつけてやるからな!!」
この空気が読めないマリモは、みんなが黙っているのを肯定ととったのか、俺に殴りかかってきた。
「っ、何してやがる、テメェ」
「・・・、狼、ありがと、」
「伊織ちゃん、怪我してない?」
寸でのところで狼が俺を守るように前に立ってマリモを殴り飛ばしてくれたおかげで俺は無傷ですんだ。
「伊織、行くよ」
「あ、うん・・・」
俺たちはマリモが動けないでいる一瞬の隙に食堂を後にした。
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