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「うーん...ひまぁ...」


狼に言われたから大人しく待ってるんだけど、狼の部屋は何にもないからとにかく暇だ。


「なんであんなに焦ってたんだろぉ」


ベッドにごろりと寝転び、掛け布団を丸めて抱き締めながらうーんと考えていた俺は部屋に入ってきていた人物に気がつかなかった。


「...伊織チャン」

「っ、!?」


突如、後ろから声をかけられ俺はがばっと体を起こして後ろを振り向いた。
そこには夏休み前に一度だけ見た金髪の男がいた。


「...い、がらし先輩?」

「あ、覚えててくれたんや?嬉しいわ」


五十嵐先輩は俺が名前を呼ぶと嬉しそうに笑みを浮かべて俺のいるベッドに腰かけた。


「何でここにいるんですかぁ?」

「荒木が慌ててた原因が俺やからかなァ?」

「へ?」

「あ、その顔かわええなぁ」


五十嵐先輩の言葉にわけがわからず首を傾げると、五十嵐先輩はニヤリと口端を上げて笑みを浮かべたかと思うと俺の頬に手を伸ばしてきた。



「伊織!!」



 


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