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お昼を食べ終えた頃には何となく奏くんも純也くんも狼と打ち解けてくれて、今は買い物でもしようかと大きなショッピングモールに入ったところだ。


「伊織、服買うんだろ」

「あー...でも、俺の服見るのなんてひなちゃんたち楽しくないでしょー」


そう。俺の当初の目的は狼の家でお世話になる間の服やら必要なものを買うことだったのだが、せっかくのひなちゃんとのデートだ。自分の服を見ても楽しくない。


「伊織、あいつらの分俺が出してやる」

「いいのー?狼太っ腹ぁ!......ひなちゃんひなちゃん、狼が好きなもの買ってくれるんだってぇ。何ほしいー?」


狼の好意を俺は遠慮なく受け取り、ひなちゃんと同じ目線になるようにしゃがんでそう尋ねた。


「ひな、およーふくとあくせさりーほしいの!」

「じゃあ、ひなちゃんのお洋服見に行こうかぁ?俺がひなちゃんを可愛くしてあげるー」

「わーい!」

「ひなちゃんのお洋服買ったら今度は俺のお洋服をひなちゃんが選んでねぇ?」

「うん!」


ということで、俺たちはまずひなちゃんの服を見るために子供服のショップに入った。

俺たちが中に入ると勿論のこと店員さんやそこにいた家族連れのお客さんたちは多種多様な視線を俺たちに向けている。

奏くんはそんな視線が気になっているらしいがあの学園のおかげでなれている俺は全く気にすることなく、ひなちゃんと服を物色していた。



 


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