「奏くん、お昼食べたぁ？」


それから俺たちはそこにいても仕方ないということになり、動くことにした。
俺がそう聞くと、まだ緊張しているらしい奏くんはピクリと体を震わした。


「食べてないです、けど...」

「じゃあ、先にお昼にしよっかぁ？...ひなちゃん何食べたい？」

「すぱべってぃ！」

「ん？」


丁度お昼時ということもあり、そう提案してひなちゃんに何が食べたいか聞くと聞いたことのない食べ物の名前が出てきて俺は首をかしげた。


「あ、...スパゲッティです。ひな、言えなくて」

「なるほどねぇ。じゃあスパゲッティ食べにいこうかぁ？」

「うん！ひなみーとすぱべってぃたべる！」


どうやら舌足らずでスパゲッティが正しく言えないらしい。

そんな可愛いひなちゃんと手を繋いで俺たち一行はスパゲッティを食べるべくパスタの店に向かった。


　

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