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「伊織、どういうことだ」
想像以上にご立腹な様子の狼に俺はひなちゃんと奏くんのことを説明した。
ひなちゃんがまだ四歳の女の子だとわかると少し安心した様子の狼に俺はまた笑ってしまった。
「ってことで、明日ひなちゃんたちも一緒だけどいい?」
「別に」
「ありがとぉ。...あ、そういえば蓮は?」
「あいつなら明日は恋人のところだろ」
「え?蓮って恋人いたのぉ?」
さらりと聞かされた衝撃事実に俺は思わず目を丸めた。
蓮の恋人というのはもうすでに成人している社会人で、蓮とは元々幼馴染み的な関係の人らしい。
「ふぅん、年上の女の人ねぇ」
「は?何言ってんだ。蓮の恋人は男だぞ」
「...そうなのぉ?蓮のことてっきりノンケだと思ってたぁ」
まさか蓮に恋人がいて、しかも年上の男の人だったなんて......なんか似合わない。てか、想像できないよね蓮の彼氏とか。
「くだらねェこと考えてないで寝るぞ」
「はぁい。おやすみぃ、狼」
「ん、おやすみ」
俺たちは何の躊躇もなく同じベッドで抱き合って眠りについたのであった。
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