「おはよう、伊織ちゃん」

「...なんでいるのぉ?」


学園から少し離れたところにあった車の扉を開けると、中には何故か蓮が当たり前のように乗っていた。


「僕も狼の家に帰るんだよ」

「そうなんだぁ」

「こいつの親父と俺の親父が仲良いからしょっちゅう泊まってんだ」

「いや、別に理由聞いてないけどぉ」


何故か弁解するようにそういった狼に思わずくすりと笑ってしまった。

そんな俺の頭を一発叩き、俺を押し込めるように車に乗せてから狼も中に入ってきた。
狼が扉を閉めたのを確認すると車は走り出した。


「ふぁあ、...」


車の揺れってなんでこうも眠気を誘うんだろうね?

車が走り出して数十分、俺は大きなあくびを1つした。


「伊織、眠いのか」

「ちょっとだけぇ」

「...寝とけ。着いたら起こす」


大丈夫ですアピールをしてみたものの、狼は俺の頭を自分の膝の上に乗せるようにして俺の横にさせた。所謂膝枕ってやつですね


「...じゃあ、遠慮なくぅ」


横になったせいか眠気はさらに強くなり、俺はゆっくりと瞼を落とした。



 


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