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あの後、大人しく俺たちは家に帰ったんだけど、水族館の中でほとんどひなちゃんに構っていた俺が気にくわなかったのかレイ兄が帰ってきてからずっと俺にべったりなのだ。
「レイ兄、いい加減うざいー。離してよぉ」
「伊織ちゃん明日帰っちゃうんでしょ!?寂しくて死んじゃうよ!」
「もういっそのこと死ねばいいんじゃない」
俺に引っ付いて鬱陶しく泣くふりをしているレイ兄に止めを刺したのはもちろんアイ。
俺はそんなレイ兄の腕から抜け出してアイとルイ兄の座っているダイニングテーブルの方に向かった。
「ルイ兄、お世話になりましたぁ。明日帰るねぇ?」
「別にずっとここにいてもいいんだよ」
「俺ねぇ、友達できたんだよぉ。だから、帰っても大丈夫、ね?」
「...またいつでも帰っておいでね。伊織くんの家はここだから」
「ふふ、ありがとお」
ルイ兄が本気で俺のこと心配してくれてるのはわかるけど、正直ここにずっといるのは辛い。
それに、俺がずっといるとレイ兄が仕事しなさそうだし...
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