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「あのっ...ありがとうございました」


ひなちゃんとの感動の再会を終わらしたらしい男の子は俺たちのところにやって来るとペコリと頭を下げた。


「大丈夫だよぉ。ひなちゃんと遊ぶの楽しかったからねぇ」

「ほんとにありがとうございました。じゃあ、俺たちはこれで...」

「やだあっ!!」


男の子がそう言って立ち去ろうとしたのを止めたのは、ひなちゃんだった。


「ひな?」

「ひなまだいおちゃんとあそびたいっ!!」

「我が儘言っちゃだめだろ」

「やぁあだぁあ!!」


男の子がひなちゃんを叱ると、ひなちゃんはさらに駄々をこねはじめた。


「...ひーなちゃん。今日はね俺も帰らなきゃだから、また遊ぼう?...ほら、これ俺の電話番号だからねぇ」


俺はひなちゃんと視線を合わせるようにしゃがみ、微笑みを浮かべてそう言い、財布から取り出したレシートの裏に連絡先と名前を書いてひなちゃんに渡した。


「おでんわ、していいの...?」

「うん。いつでもしといでぇ」

「うん!いおちゃんありがとう!」


不安そうなひなちゃんににっこりと微笑むと、ひなちゃんは満面の笑みを浮かべて俺にお礼を言った。

ほんと、いい子だなあ...


「あのっ、ほんとすみません...ひなが」

「大丈夫だよぉ。あ、俺榎並伊織っていうんだぁ。怪しいものじゃないからねぇ?」

「あっ...と、俺は日向 奏です」


俺が名前を告げると奏くんは丁寧に自己紹介をしてくれた。

俺たちはまたひなちゃんから連絡をすると約束をしてその場で別れた。



 


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