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「いおちゃん、おさかなさんいっぱい!」

「そうだねぇ。ひなちゃんはお魚さん好きぃ?」

「うん!きらきらきれい!」


あの後、ひなちゃんを迷子センターに連れていこうとしたのだが俺はひなちゃんに気に入られたらしく、迷子センターに行くのが嫌だと泣き出したのだ。


「館内歩いてればお兄さん見つかるんじゃない?」


というアイの提案で俺たちはひなちゃんを連れて館内を歩くことにした。
ということで俺は今ひなちゃんと手を繋いで歩いている。ちなみにひなちゃんは四歳なのだとか。


「かなちゃんね、かわいいの!でも、いおちゃんのほうかかわいい!」

「あははっ、ありがとー」

「あ、いおちゃん!おっきいおさかなさん!」

「ん?あ、ジンベイザメだよー」


歩きながらしゃべっていると、いきなりひなちゃんが大水槽の方に走っていった。
そこには色々な魚が泳いでいて、一際目を引くのは優雅に泳ぐ二匹のジンベイザメ。


「じんべいざめぇ?」

「そうだよー」


ひなちゃんはジンベイザメが珍しいのか水槽に釘付けだ。俺はその後ろからひなちゃんを見ている。



「僕、つまんないんだけど」

「伊織ちゃん取られちゃった!」

「伊織くんは妹とかいないから新鮮なんじゃない?」


そんな俺たちの後ろで三人がそんな話をしていることには全く気づかず。



 


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