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ペンギンの水槽を後にした俺たちが向かったのは待ちに待っていましたイルカ水槽。
イルカたちが水槽の中を優雅に泳ぐその姿に俺は釘付け。


「...可愛い。アーイ、イルカ可愛いよー」

「はいはい。わかったから」

「こっちおいでよー」

「僕はここでいいの」


今、イルカの水槽にへばりついているのは俺一人。さっきまで一緒にペンギンを見ていたアイも今は後ろでルイ兄たちと一緒にいる。


「イルカ可愛いのにぃ...」


そりゃあ、確かにペンギンも可愛いよ?てか、めっちゃ可愛かったよ?けどさ、こう水の中を優雅に泳ぐイルカって何かすごくない?鳴き声とか可愛いしさぁ


そんなことを思いながら自由自在に泳ぐイルカを眺めていると、服の裾をくいくいっと引っ張られた。


「ん?...どうしたのー?」


引っ張られた方向を向くと可愛らしい女の子がくりっと大きな黒い瞳で俺を見上げていた。
俺はその子の視線になるようにしゃがみこで首を傾げた。


「...かなちゃんは?」

「へ?」

「かなちゃん、どこ?」


女の子はどうやら迷子らしく、今にも泣き出しそうな顔で俺にそう聞いてきた。


「えっとぉ...かなちゃんってだぁれ?」

「かなちゃん、ひなのおにいちゃんなの」


どうやらこの子の名前はひなちゃんというらしく、お兄ちゃんである「かなちゃん」とここに来たらしい。


「ひなちゃん、こっちおいでぇ」


俺はとりあえずみんなに事情を説明しようとひなちゃんを抱っこしてアイたちのところに戻った。


 


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