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「可愛いー!ペンギンの赤ちゃんもふもふだぁ」

「...結局、僕より伊織の方が楽しんでるし」


ペンギンの水槽の前にやって来た俺はお母さんペンギンの足の間にいる赤ちゃんペンギンに釘付けだ。


「アイ、ペンギン可愛いよー?」

「知ってる」


アイの俺に対する返事は冷たいが、顔はほんとうにペンギンが好きなのだろうとわかるくらいキラキラしている。


「ペンギン飼いたいねぇ」

「ばか。伊織がそれ言うと真に受ける奴がいるからやめて」

「へ?」

「...ほら」


水槽に釘付けになりながらそう呟くと、アイが眉をしかめてそう言い後ろを指差した。


「ペンギンってどこで売ってるの!?てか、どうやって世話したらいいの!?」

「黎、落ち着け。とりあえず知り合いに当たってみるから」

「家に水槽作らなきゃ!」


後ろを向くと、一緒に来ていた大人二人が真剣な顔で携帯を弄っていて、ルイ兄が今にもどこかに電話しようとしてるところで俺は急いでそれを止めた。


...発言には気を付けよう。



 


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