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結局、俺が浪川家にいる間レイ兄は仕事に行かずに家にいて、いつもアイと口喧嘩していた。

そして、浪川家でお世話になる最後の日。
夏休みも関係なく仕事で忙しいルイ兄が仕事を休んで、仕切り直しということで今度はみんなで水族館に行くことになった。


「いるか見るんだぁ」

「いるかよりペンギンでしょ」

「えー、イルカの方が可愛いよー?」

「僕はペンギンが見たいの」


水族館に着き、始めに何を見ようかという話になり、俺とアイの意見が見事にわかれた。


「二人とも、喧嘩しなくても両方見ればいいからね」

「てか、伊織ちゃんはホントいるか好きだね!この前もずっといるか見てたでしょ」


そんな俺たちを見て苦笑いしてそう言ったのがルイ兄で、レイ兄は楽しそうにケラケラ笑ってアイに足を踏まれていた。


「アイ、ペンギン見に行こー?」

「いるかはその後ね」


急がなくてもいるかは逃げないし、俺はアイと手を繋いでペンギンのいる水槽に向かった。


「ほんと、仲良いよね」

「伊織ちゃーん!俺とも手繋いでよ!」


後ろから微笑ましそうに俺のアイを見るルイ兄と何やら喚いているレイ兄がついてきた。



 


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