8
案の定、レイ兄に連れられて来たのは俺の大好きな水族館。
夏休みのためか親子連れや女子中高生、カップルが多くて、男二人というのは浮いているのか視線を感じる。
「レイ兄バレてるんじゃないのー?」
「案外堂々としてた方がバレないんだよ」
そう言うレイ兄の格好はサングラスを着けているだけだ。そんなもんなのかね?
「そんなことより、伊織の好きなイルカ見に行こう」
「うん、イルカ見たぁい」
俺、イルカすっごい好きなの。
その次に好きなのがペンギンで、次がジンベイザメ。てか、自由に泳いでる魚って見てて飽きないよねぇ
イルカの水槽に行くとやはりイルカは人気なのか水槽の前には小さい子供たちがいっぱいいた。
「伊織?前行って見なくていいの?」
「俺もう子供じゃないよー?ここで充分」
「伊織がいい子に育ってくれて俺は嬉しいよ!」
「んっ...もう、髪グシャグシャになっちゃうでしょー」
子供たちの中に入っていくこともできず遠巻きにイルカの水槽を眺めているとレイ兄にぐしゃぐしゃと髪を撫でられた。
[ 123/157 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
top