「学校はどう?二人とも」


あの後、ルイ兄が二人のことを止めてくれて、俺たちは荷物をそれぞれ用意されている部屋に置いてリビングに四人で座っている。

俺の隣にはアイで、前にはルイ兄、一番遠いところに座っているのがレイ兄だ。


「僕はいつも通り。ただ変わったことといえば転入生が来たことかな」

「転入生?めずらしいね、あそこに来るなんて」

「いい子なんだよー。友達になったんだぁ」

「ああ!伊織ちゃんは相変わらず可愛いなぁ!俺の嫁になって家に嫁げばいいよ!」

「「うるさい」」



学校の話を聞いてきたルイ兄に答えていると、何故かレイ兄が暴走してしまいアイとルイ兄に怒られていた。
これが浪川家のいつもの光景だ。


「今年は夏休みの間こっちにいるの?」


俺がその光景を見てクスクス笑っていると、これまた長期休暇のたびに恒例となりつつある質問をルイ兄がしてきた。


「んーん、一週間くらいで帰るよー。今年は友達の家に遊びに行くんだぁ」

「...そうか。楽しんでおいで」

「うん。ありがとぉ、ルイ兄」


俺が答えるとルイ兄は一瞬悲しそうな顔をしたが、いつもとは違い友達の家に行くと言うと少し嬉しそうに微笑んでくれた。
ほんと、この家族にはいつも心配かけてるなぁ...


「伊織、荒木の家行くの?」

「へ?あ、うん」

「...まあ、いいけど。連絡くらいはしてよ」

「わかってるよー」


狼の家に行くと言うと何故かアイが怪訝そうな顔をした。俺がその意味がわからず首を傾げると、アイは呆れたようにそう言った。



 


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