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まあ、そんなこんなで俺とアイ、狼、頼、蓮の中に室井くんが一緒にいることに生徒たちが慣れ始め、夏休みに入りました。
「伊織、夏休みどうすんだ?」
終業式後、生徒会の仕事を終わらしてそのまま狼の部屋で寛いでいると、狼が俺にそう聞いてきた。
「んー、どうしよっかなぁ...ってか、狼最近機嫌悪いー?」
俺はソファーに座っている狼の脚の間に座っている。
狼の眉間にシワが寄っているのに気づき、俺は狼の顔に手を伸ばしてシワを撫でた。
「...最近、あのガキのせいでお前と一緒にいれねェだろ」
「室井くん?...確かに狼ずっと睨んでるもんねぇ」
「あのガキ、絶対伊織には惚れてるぞ」
「えー?そんなわけないよー」
「ったく...馬鹿」
俺が狼の言葉に首を傾げると、狼は呆れたようにため息をついて俺の頭をペシリと叩いた。
「んで、夏休みどうすんだ」
「ん?ああ、その話だっけぇ?...んー、寮に残るかなぁ」
なんて、悩む必要もないんだけど。帰る家はあるけど待ってる人がいないからね。
あ、でもアイの家には顔出しとかないと怒られるか
「...伊織、俺ん家来るか?」
「...ン、...へ?」
首筋に顔を埋めていた狼が突然そう問い掛けて来たのに俺はつい間抜けな声を出してしまった。
「...狼ん家、行っていいの?」
「おう、お前なら大歓迎。むしろ来いよ」
「...考えとくぅ」
狼のお誘いが嬉しく即答したかったが、即答するのもなんだか恥ずかしくて俺はそう言った。
が、狼にはお見通しだったのか、喉の奥で笑いながら俺の頭を撫でた。
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