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伊織がいい方向に変わるかもしれない。
そう思っていた矢先にやって来たのがあの邪魔なマリモだった。

そして、会長がマリモにキスしているのを見た伊織がまた昔に戻ってしまうのではないかと僕は酷く怯えた。


「伊織、あんな奴忘れて俺のモンになれよ」

「ならないしぃ。俺は誰のモノでもないのー」



僕のそんな考えを打ち消してくれたのが、荒木だった。

伊織にはああやって強引に愛を教えてくれる人物が必要だったのかもしれない。
少なからず、今の伊織は会長と付き合っていたときより楽しそうだし、表情が豊かだ。

まあ、まだ肝心の一歩を踏み出せてないにしても、伊織を変えてくれた荒木に僕は少なからず感謝している。



***


「とりあえず、風紀に事情説明に行かなきゃね」

「そうだねっ。本人は暫く来れないだろうしねっ」

「じゃあ、行こうか?」


僕たちは風紀委員長のところに事情説明に行くために部屋を出た。



 


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