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あの後、俺は狼に抱かれたまま自分の部屋に戻り風呂に入ってこいとアイに言われたため風呂に入った。
「さて、伊織。何があったか話してもらうからね」
「ひぃっ...!?」
お風呂から上がって部屋に戻ると、怖い顔をしたアイ様と頼様、そして不機嫌そうな狼がいた。
「...えっとぉ、...着替えに行ったら捕まって、ヤられかけた、...みたいな?」
「〜.....っの、ばか!!!」
簡潔に説明すると思いっきりアイに怒られた。
頼も狼も納得していないようで俺を睨んでいる。
俺はそんな空気に耐えきれなくなり、ちゃんと本当のことを話した。
話していくにつれて、アイと頼の顔が悲しそうになっていくのがわかった。
...あー...そんな顔させたいわけじゃないのに...
俺が話すのを躊躇った理由はアイと頼のこの顔が見たくなかったから。結局、こんな顔させちゃってるんだけどさぁ...
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