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「「伊織!!」」


みんなのところに戻ると、俺に気づいた狼とアイが慌てた様子で俺のところに近づいてきた。
蓮もその様子を見てホッとしていて、頼と楠木くんは何故か驚いたような顔で俺を見ていた。


「友達か?ほい、・・・ちゃんと見といたらなあかんで」


俺を抱えてきた男はそう言うと狼に俺を渡した。

・・・あ、なんか落ち着く、


「・・・五十嵐先輩!どうしてここにいるんですか!?」


狼の匂いを嗅いで気持ち的に落ち着いた俺は、そのままぎゅうっと狼にしがみついた。
すると、楠木くんがありえないといった様子で男に詰め寄っていた。


「純やん!久しぶりやなぁ」

「そんなこと聞いてません!どうしてここにいるんですか!」

「相変わらず冷たいなぁ、純は」


男が嬉しそうに楠木くんに笑かけると、楠木くんはそれを無視してそう言った。
てか、楠木くんのフルネーム初公開じゃない?


「・・・楠木くん、この人って」


すると、今まで驚いた顔をしていた頼が楠木くんに話しかけていた。
ていうか、周りみんな驚い顔してるんだけど・・・蓮も狼もアイも他の見ている生徒たちも。状況掴めてないの俺だけだよね?


「うん。この人は元風紀副委員長の五十嵐 虎先輩だよ」

「久しぶり。留学から帰ってきてすぐここ来てん」

「帰ってきてるなら連絡一言入れてください!」

「すまんすまん」


楠木くんはまったく反省する気のなさそうな五十嵐先輩を呆れた顔で見ていた。



 


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