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「頼ぃ、やっぱり変だってぇ...って、なになに?」
俺が更衣室から出ると何故かみんなが俺を見ていた。俺はそのみんなの視線にびっくりして慌てて狼の後ろに隠れた。
「ろ、ろー...俺変だよねぇ、?」
「...似合ってる。でも、他の奴に見られんの気に食わねェ」
「ンっ...そんなこと聞いてないぃ...」
俺が不安になって狼に聞くと、狼はそう言って俺の首筋に顔を埋めてきた。
俺の今の格好は大きめで膝上くらいまで隠れる淡い青色のトレーナーパーカーにニーハイのロングブーツ、茶渕の伊達眼鏡をかけている。
ピンポーンッ...
するとモニターから正解音が聞こえ、そこには『榎並チームクリアです』と書かれていた。
ふと、周りを見るとモデルをしたのは会長と副会長だったらしく、二人も着替えていた。
「会長たちがいおに勝てるわけないもんねっ!」
「伊織ちゃん、髪長いし線細いから普通に似合うよね」
「なぁんか、嬉しくないんだけどぉ...」
とりあえず俺たちは合格らしく、先に進むことにした。
なぜか俺はこのまま行かなきゃいけないらしく、着替えることができなかった。
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