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トントントンッ・・・
悩んでいると包丁の音が聞こえて、俺たちは一斉にその方向を見た。
「・・・楠木くん、料理できるのぉ?」
見事な包丁捌きで玉ねぎを切っていたのは、楠木くんだった。
ほかのグループの生徒たちも驚いたように見ている。
「うん、得意だよ。これでも毎日作ってるからね」
「あー・・・そっかぁ」
きっと、それは保健医になのだろう。
ほんと楠木くんって良くできた彼氏だと思う。
俺たちが大人しく楠木くんが作っているのを見ていると、他のグループの子たちは楠木くんを真似て作り始めた。
が、やはり楠木くんの手際の良さには敵わず、楠木くんは10分もせずに作り終えてしまった。
「すっごぉい。半熟ふわとろオムライスだぁ」
「好きなんだよね、これ」
「ほんと幸せ者だよねぇ」
俺がそう言うと楠木くんは照れくさそうに笑っていた。
ピンポーン!
すると、モニターからそんな音が聴こえて、そちらを見ると『榎並チームクリア 先に進んで良し』と表示されていて先に進む扉が開いた。
俺たちは他の生徒に応援の声をかけて先に進んだ。
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