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「めぐ、気にするなよ?」
「いや、気にしてないから大丈夫」
充はコソコソと廊下で俺の批判を言っている生徒たちを睨み付けながらそう言ってくれた。
「めぐみもそんな格好やめろよ!!そうすればみんな勘違いしないでめぐみのことをわかってくれるんだからさ!!」
「・・・なんで君にそんなこと言われなきゃいけないわけ?」
「俺はめぐみのことを思って言ってやってるんだろ!!」
「・・・あー、はいはい」
最近、黒神は俺に対して常にそう言ってくる。俺はいつも鬱陶しくて適当にあしらっているのだが・・・
「・・・充、」
授業が始まり、黒神が自分の席に戻ったのを確認した俺は、弱々しい声で充の名前を呼んだ。
「・・・どうした?」
充はそんな俺の声を聞き、充は心配そうに俺の方を見ていた。
「・・・俺さ、最近考えてることがあるんだけどさ」
「考えてること?」
「うん。文化祭までにみーくんと会えなかったら女装やめようと思ってさ」
「・・・はぁ!?」
これはあのパーティーのときにふと考えていて、最近よく黒神に言われるようになってさらに思ったのだ。
案の定、充は驚いたような声を出して、クラスのみんなが俺たちを見ていた。
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