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パーティーの会場になっているホテルに着いた俺たちは、一先ず庵兄たちが借りている部屋に向かった。
もちろん、俺が着替えるためだ。


「庵兄、メイク落とし貸して」

「はいはい」


俺はメイクを落として、この前黒神と買いにいったスーツに着替え、親睦会のときの同じカツラをつけた。


「・・・めぐみ、すっぴんも可愛いよね」


庵兄は着替えた俺を見ると、俺がつけているカツラを弄りながらそう言った。


「美少年、がしっくりくるな」

「まあ、俺ですからね」

「性格に難ありだが」


ほんと、章太郎さんはいつも一言多い。庵兄もこんな人のどこが好きなのか謎でしかない。


「それより、めぐみ」

「んー?・・・あ、セットしてくれたんだ。ありがとう」

「どういたしまして。・・・みーくんは見つかったの?」


庵兄は俺のカツラの髪をセットしてくれたらしく、さっきとは少し違う感じになっていた。


「あー・・・難しいよね」

「よく10年も一途でいれるよな」

「そういう章太郎さんと庵兄だって、もう10年くらいでしょ付き合って」


この二人は恋人って感じが一切しないけど、たぶん俺がいるからだろう。と俺はいつも思っている。



 


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