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そして、月日は流れてパーティーの日。


「庵兄、お迎えありがとう」

「気にしなくていいよ。可愛い弟を迎えに来るくらいなんてことない」

「章太郎さんもありがとうございます」

「めぐみ、また女装に磨きがかかったか?」


俺は学校まで迎えに来てくれた庵兄の車に乗り込んだ。
車の中には庵兄だけでなく、たぶん庵兄の彼氏の章太郎さんもいた。


「ふふ、日々努力を積み重ねてますからね」

「性格にも磨きがかかったか?」

「どういうことですかそれ、」


俺の昔を知っている人からはよく、「昔は素直で純粋で可愛かったのに」と言われる。


「昔はひねくれてなくて可愛かったってことだよ」

「今も十分可愛いですから」


章太郎さんは会うたびに俺にそう言ってくる。だから、俺もいつも同じ言葉を返している。



 


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