26
そして、月日は流れてパーティーの日。
「庵兄、お迎えありがとう」
「気にしなくていいよ。可愛い弟を迎えに来るくらいなんてことない」
「章太郎さんもありがとうございます」
「めぐみ、また女装に磨きがかかったか?」
俺は学校まで迎えに来てくれた庵兄の車に乗り込んだ。
車の中には庵兄だけでなく、たぶん庵兄の彼氏の章太郎さんもいた。
「ふふ、日々努力を積み重ねてますからね」
「性格にも磨きがかかったか?」
「どういうことですかそれ、」
俺の昔を知っている人からはよく、「昔は素直で純粋で可愛かったのに」と言われる。
「昔はひねくれてなくて可愛かったってことだよ」
「今も十分可愛いですから」
章太郎さんは会うたびに俺にそう言ってくる。だから、俺もいつも同じ言葉を返している。
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