21
しばらくして、みんながいる海に向かっていると、自動販売機の前でよく見知った顔の奴と女の子が二人いた。
「邪魔なんだけど」
「いいじゃんっ!」
「私たちと遊ぼうよぉ!」
どうやら俺の友人は女の子たちに逆ナンされているらしい。
俺は助けてあげようと、その場に近寄って充の腕に自分の腕を絡めた。
「充ぅ、ごめんねぇ?待ったぁ?」
「め、ぐ?」
「あ、なぁに?貴女たちぃ。充に何か用でもあるのぉ?ごめんだけど、私たちラブラブだから邪魔しないでくれるぅ?」
俺はそう言うと驚いている充を無視して、いつものように充の首に腕を回して頬にキスをした。
すると、女の子たちはそそくさと逃げていき、俺の頭には充の拳骨が落ちた。
「ったぁ!?助けてあげたのになにすんのさ」
「お前は馬鹿か!学校じゃねぇんだからむやみやたらにこんなことすんな!」
「なにさー・・・充のばーか」
俺は充にそう言い、遠くに見えた夕陽めがけて充を放って走り出した。
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