19
飯を食べて、みんなが寝静まった頃、俺はこっそり部屋から出てあの扉の前にいた。
どうしても確認がしたかった。花がめぇなのかどうか。
ガチャッ・・・
ドアノブを回すと扉が閉まっていて、俺は夢で見た通り植木の下から鍵を取り出して扉を開けた。
「っ・・・うそ、だろ」
部屋の中は夢の・・・俺の記憶のままで、俺が昔めぇにあげたものがいくつか置いてあった。
「・・・あれ、」
その部屋に唯一ある家具のベッドに目を向けると、花が寝ていて、そのベッドの上にはあのくまのぬいぐるみがあった。
あのぬいぐるみは俺がめぇにあげるために特注で作らせたもので、この世に一つしかないはずだ。
「花が、めぇなのか・・・?」
この瞬間。俺は花がめぇなのだという疑問が確信に変わった。
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