18
***
「帝!飯だぞ!!」
せっかくいい夢を見ていたのに・・・俺は大和のその声で目を覚ました。
「・・・ああ、すぐ行く」
俺は扉の向こうにいる大和にそう言い、ぐしゃぐしゃと頭を掻いて部屋から出た。
・・・やっぱり、夢と一緒だ。
部屋から出ると、夢で見た景色とまったく同じで、俺は階段を下りてさりげなくその横についている扉を見た。
すると、やっぱりそこには植木に隠されるように扉があった。
「すっげぇ!これ、めぐみが作ったのか!?」
「たいしたもんじゃないけどね」
ダイニングに行くと、みんなが集まっていて、机の上には肉じゃがや味噌汁などの和食が並んでいた。
「和食ばっかりだね?」
ふと、夕陽が花にそう聞いたのが俺の耳に入った。
「うん。ある人の影響で和食だけ練習したんだ」
「ふぅん、」
花のその言葉に俺は不覚にもドキッとしてしまった。
花がめぇだという確証はないのだが、俺は確かに和食が好きで、めぇに和食を作れるようになってくれ、と頼んだことがあったからだ。
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