海に着くと、もちろん俺たちは注目の的なわけで・・・俺にはとにかく野郎共の視線が突き刺さっていた。


「うざい、」

「なんで?学校の子たちにはキャーキャー言われて喜んでるじゃん」


俺がうんざりしていると、夕陽は不思議そうに聞いてきた。


「学校の奴等は俺が男だって知ってるからいいの。こいつらは完璧に俺を女だと見てるからキモい」

「違いがわかんないんだけど、」

「こいつ、自分に下心ある奴嫌いだからな。学校でもこいつを抱きたいとか思ってる奴には目もくれてねぇぜ?」


さすが充。俺のことをよく理解している。
てか、この状況ってどうなんだろうか?俺ってばイケメンを侍らせてる悪女みたいじゃない?


「めぐみ!!海入ろうぜ!!」


そんなことを思っていると少し離れた場所から黒マリモがそう叫んだ。


「後で行くから会長たちと先に遊んでなよ」

「おう、わかった!!」


生憎、俺の声は高くも低くもないわけで、声で性別は判断できないだろう。


「てゆうかさ、」


とりあえず適当な場所にシートを引いて、パラソルを立てていると、夕陽がまじまじと俺を見ながら口を開いた。


「なに?」

「めぐみって肌白いし毛も薄いよね。それに華奢だからそういうの着れるわけか」

「いや、勝手に納得されても困るんだけど」

「性別間違えて生まれてきたんじゃないの?」

「不吉なこと言わないで」


むしろ男でよかったと思ってるんだから俺は。じゃないと、こんな好き勝手に楽しいことできないでしょ



 


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