1
それは、生徒会室に入り浸っていた黒マリモが言った一言だった。
「なあ、海行こうぜ!!!」
***
親睦会から帰ってきた俺たちはやっぱり仕事に終われていた。
静が仕事をしてくれるようになった分、楽になったのだが、会長や副会長、朝陽はいまだに仕事をする気配がない。
なによりも、最近の会長はおかしい。
特に黒マリモを構うでもなくただボーッとしていて、ときどき真剣に携帯の画面を眺めている。
「・・・会長。なにもしないなら仕事をしてください。でかいだけでボーッとされたら邪魔です」
「っ、・・・・・・」
俺の暴言にもいつもなら言い返してくるはずなのに、無視。
明日から世間一般で言う夏休みというものに入るのに、この調子では夏休みと仕事三昧だろう。
「暑い!!!」
そんなことを思っていると、黒マリモがそう叫んだ。
つか、暑いのは君が暴れてるからであって、この部屋は冷暖房完備なんだけど。
そんなことを思いながらも手を動かしていたところで、黒マリモが冒頭の言葉を言ったのであった。
[ 56/271 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
戻る