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結局、誰にも見つかることなくお昼になり、俺たちは人気の少ない場所でお昼を食べている。
午前中は無事にバレることなくいろいろと乗り物に乗ったりできて楽しかった。
「・・・めぐ、!」
「おわっ!?」
「藤岡!?」
すると、後ろからいきなり誰かに抱きつかれた。
夕陽のおかげでその人物が誰かわかり、俺は静を自分から離した。
「めぐ・・・、」
「なに?今さら何か用?あの黒マリモのところにいれば?」
「・・・ごめん、なさい」
俺が冷たく言うと、静は頭を下げて謝った。
実は最近、俺は意図的に静を避けていたのだ。静もそれに気づいたのか悲しそうな視線を送ってきていたがもちろん無視。
すると、この一週間ほど前から静の分の仕事がなくなっていることに気づいた。
「・・・それは、何に対して?」
「おれ・・・、大和ばっかり、仕事しなかった・・・・・・めぐ、嫌われる・・・いや」
「いつもは聞いてあげてるけど、今日はちゃんと話してくれないと理解してあげないよ」
俺が突き放すようにそう言うと、静は一瞬悲しそうな顔をして俯き、意を決したかのように顔を上げた。
「・・・めぐ、ごめんなさい。・・・俺、めぐと一緒に、いたいから、・・・仕事する、」
「・・・俺にだけ?」
「ゆう、ひ・・・も、ごめんなさい。・・・俺、ちゃんとする、」
「うん。いいよ、おいで静」
微笑んでそう言うと、静は嬉しそうに笑って俺に抱きついてきた。
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