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「花くん」
「・・・何か用?爽川、だっけ?」
夕陽と充と三人で寛いでいると、爽やかくんがなぜか俺に話しかけてきた。
「あ、名前覚えててくれたんだ?嬉しいな」
「そりゃ、名前くらいは」
「ふふ、嬉しいな。じゃ、俺は大和のところに戻るよ」
爽川はそう言うと、「じゃあね」と言って黒マリモのところに向かった。
「・・・なに、あいつ」
「なんか気味悪いな」
爽川が去ったあと、夕陽と充は顔をしかめてそう言っていた。
「花ちゃん、おつかれさん」
「・・・相楽先輩」
すると、どこから現れたのか相楽先輩がニヤニヤとした笑みを貼り付けて俺に話しかけてきた。
「えらいソソる格好してるなぁ」
「可愛いのは知ってます」
「ははっ、相変わらずやなぁ花ちゃんは」
相楽先輩はまいったわぁ、と言って笑っていた。
「それより、何か用があるんじゃないんですか?」
「ああ、せやった。そろそろ一般の生徒も帰ってくるしその格好じゃ目立つから生徒会は先に部屋戻りぃ」
「わかりました」
よく見ると確かに一般の生徒が帰ってきていて、みんな俺たちを見ている。
「じゃ、俺たちは部屋に戻りますんで先輩、あれ止めてくださいね」
「ええ!?嘘やん!!」
俺は黒マリモをめぐって争っている奴等を指差してそう言い、夕陽と充と部屋に戻った。
とは言っても別々なんだけど、
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