「店、慣れたか」


家に帰って二人でご飯を食べてまったりしていると、ふいに帝がそう聞いてきた。

あの店は帝が俺に与えてくれたものなのだ。もともと大学に行く気がなかった俺はみんなの居場所みたいなものを作りたくて帝にお願いしてあの店を作ってもらった。


「うん、楽しいよー。みんな様子見に来てくれるし」

「そうか、よかったな」


俺が笑うと帝は微笑んで俺の頬にキスをした。それから、キスはいろんなところに降ってきて、俺はいつの間にか帝に押し倒されていた。


「めぐみ、結婚しようか」

「・・・え、」


キスのくすぐったさに目を細めていると、いつのまにか俺の左手の薬指には指輪がついていた。


「まあ、法律上結婚はできねぇけど・・・形だけでもな?」

「っ、・・・」


やっと状況を理解した俺は、それをぎゅっと抱き締めてポロポロと涙を流した。


「めぐみ?・・・やっぱり嫌か?」

「っ、嫌なわけないでしょ、!・・・嬉しくてっ、」


どうにか涙を止めようとするも、涙は次々に溢れてきて止まってくれる様子がない。


「・・・めぐみ、愛してる」

「っ、俺も。愛してるよ、帝」



fin


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