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「めぐみ」
中に入ってきた人物が俺の名前を呼ぶと、男たちはいきなり聞こえた声に驚いたのか体を震わした。
「あ、帝。おかえりー」
その人物・・・帝はそんな男たちを一瞥するとカウンターの中に入ってきて俺の頬にキスをした。
「ただいま」
「何か食べる?」
「めぐみの作るもんならなんでもいい」
そんな俺たちの雰囲気にいたたまれなくっなったのか、いつのまにか男二人はいなくなっていた。
「めぐみ」
「わっ、・・・なに?どうしたの」
男たちが帰ったことに満足していると、いきなり鷹野に引っ張られた。
「もう帰れ。あと、俺がやっとくし」
「え?いいのー?鷹野やっさしー!」
帝がこんなに早く帰ってくることは珍しい。
ほら、次期社長様だからね?いろいろ忙しいらしいんだよね。
だから、帝が早く帰ってきた日にはたいてい鷹野は俺を先に帰らしてくれる。
「じゃ、お先にー。ガキどももさっさと帰りなよー」
鷹野のお言葉に甘えて、俺はそそくさと帰る支度を済ませて帝と家に帰った。
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