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「めぐちゃん、お疲れ様」
「蘭さんっ・・・雅臣さんも、ありがとうございます」
あの後、呆然としている親父を放置して、俺はみーくん一家に連れられてみーくんの家に来ていた。
どうやら、あの会場にいた人たちほとんどがみーくんたちが仕込んでいたらしい。
「ふふ、私は帝にもめぐちゃんにも幸せになってほしかっただけよ」
「私も、蘭に同意件だ」
「っ、ありがと、ございますっ」
どうしてこの人たちはこんなにもあったかいんだろうか。
蘭さんに頭を撫でられると、我慢していたものが切れて涙が溢れてきた。
パーティー会場から帰ろうとしていたとき、爽川一家に話しかけられて爽川がしたことを謝られた。
あいつのしたことを許せるわけではないけど、だからといって爽川の家族を恨むのはお門違いなわけで・・・俺は気にしてませんよという意をこめて微笑んだ。
「めぐみさんは本当にいいお方ですね。東宮さんと出会う前にお会いしたかったです」
なぜか爽川の妹にそんなことを言われたが、そこは笑って誤魔化しておいた。
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