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「花さん、うちの息子が御無礼を致しまして申し訳ございません」
上がってきた人物・・・みーくんの両親である雅臣さんと蘭さんはそう言うと親父に向かって頭を下げた。
「ですが、私たちは二人の交際を見守っていくつもりです」
そんな二人に俺が驚愕したのは一瞬のことで、二人はすぐに頭を上げると力強い眼差しで親父にそう言った。
「なっ、!?」
「跡継ぎである長男の庵くんがいなくなったから今まで除け者扱いをしていためぐみくんを急に後継者に、だなんて虫がよすぎるでしょう?」
なぜ、雅臣さんがその事実を知っているのかは知らないが、雅臣さんがそう言うと親父は言葉をつまらした。
「それと、東宮から花家への援助を一切打ち切らせてもらいますので」
「っなにを、!」
「ああ。あと、青居家と藤グループ、爽川家もそちらへの援助を打ち切るとおっしゃってましたよ」
「そんなっ、・・・!」
とどめと言わんばかりに雅臣さんが爽やかな笑顔でそう言うと、親父はついに絶望的な顔をした。
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