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「東宮さん」


会場を出て裏に回ると、そこにはめぐみと婚約する相手だった爽川の妹がいた。
その傍らには爽川の両親もいる。


「準備はできました」

「ありがとうございます」

「いえ、礼を言いたいのはこちらの方だ。君が教えてくれなければ私たちは息子の失態にずっと気づかず生きていくところだった」


俺は爽川の家にアイツがめぐみにしたことを全て話した。
爽川の両親は真面目な話のわかる人で、自分の息子の過ちを聞いた瞬間に俺に頭を下げ、めぐみにも謝りたいと言ってくれた。

そして、俺の計画にも協力してくれている。


「顔を上げてください・・・今から普通にパーティーに参加してください。後は俺がどうにかしますんで」

「わかった。本当にありがとう」

「こちらこそ、俺たちのことを理解してくれてありがとうございます」


俺は爽川さんたちが会場に戻っていくのを見送り、騒ぎが起きるのをその場で待った。


 


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