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「あ!さっきの奴!!」
たくさんの視線を浴びながらも気にせず久しぶりに会えた先輩と楽しくご飯を食べていると、大きな声が食堂内に響き渡った。
その方向を見ると、案の定黒マリモと、銀先輩を見て驚いた顔をしている他の役員たちがいた。
「おまえ、さっき俺のこと無視しただろ!?まあ、俺は優しいから許してやる!!おまえ、名前何て言うんだ!?」
「大和・・・!!」
「その人はダメだよっ!」
黒マリモはまっすぐ俺たちの方に近づいてくると、先輩の前で止まってそう言った。
周りでは銀先輩が怖いのか、副会長と朝陽が黒マリモを必死で止めようとしている。
「・・・なんだてめぇ。俺に近寄んなオタクが」
銀先輩は自分の気に入ったものや人以外には全く興味がなく、とても冷たい。
今も、ここにいる全員が凍りつきそうな視線で黒マリモを睨んでいる。
「オタクとか初対面の奴にそんなこと言っちゃいけないんだぞ!!俺は優しいから許してやるけどな!!」
「黙れ」
「そんな酷いこと言うなよ!!あ、俺は黒神大和っていうんだ!!大和って呼べよ!!」
黒マリモは空気が読めないのか、先輩を見て少し頬を赤く染めながらそう言っていた。
うん、わかるよ。先輩かっこいいもん。
てか、黒マリモって面食いだよね。会長も副会長も、充もそうだし、先輩もでしょ?
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