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蘭さんとともに、蘭さんの知り合いの店だというウエディングドレスのお店に向かうと、そこにはよく見知った顔の人物がいた。
「お久しぶりです、花様」
「久しぶり。ってかなんで棗先輩がここに?」
俺を笑顔で迎えてくれたのは、みーくんの親衛隊隊長である棗先輩だった。
「ここは僕の兄のお店なのですよ。今日は帝様のお母様から花様が来られると聞いてやって来たのですよ」
棗先輩は笑顔を絶やさずにそう説明すると、俺の隣にいる蘭さんともどうやら顔見知りなようで挨拶をして何やら話していた。
「棗ちゃん。紫ちゃんは?」
「兄なら上のアトリエにいます。あ、下りてきたみたいですね」
棗先輩と同じように二階へ続く階段を見上げると、そこから棗先輩とはまた違った美人な男の人と艶やかな黒髪でタレ目の無駄にエロいオーラを漂わせている男が下りてきた。
「お久しぶりです、蘭さん」
「久しぶりね紫ちゃん。もしかして徹夜空けかしら?」
「ええ、まあ」
美人さんは蘭さんに挨拶をすると、痛いところをつかれてしまったのか困ったように笑っていた。
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