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「てめぇ、俺にめぐを守るって約束したんじゃなかったんか!?あ?それがこの様か?・・・てめぇにめぐを渡すんじゃなかったよ」
銀先輩はものすごい迫力でみーくんに怒鳴り付けると、そのままみーくんを床に叩きつけるように下ろした。
「っ、すみませんでした・・・確かに俺の判断が間違っててめぐみをこんな目に合わせってしまった・・・。けど、めぐみから離れるつもりはさらさらねぇ」
「・・・みー、くん・・・」
みーくんのその言葉を聞いた銀先輩は1つ舌打ちをすると、今度は俺の方にやって来た。
「銀、先輩・・・?」
「俺と来いよめぐみ。俺ならお前を誰よりも幸せにできる。糞じじいもお前なら大歓迎だ」
いつもの冗談じゃない。この目は本気だ。
俺は銀先輩の目を見て、充たちから離れて自分で立ち上がって銀先輩の前に立った。
「・・・先輩。俺の幸せにはみーくんがいなきゃいけないんだよ。だから先輩の気持ちには答えられない」
「・・・後悔しねぇんだな?」
「うん。銀先輩のことは好きだけどそう言う風には見れない。ごめんなさい」
「はっ・・・これでさっぱりしたわ」
銀先輩は一瞬悲しそうな顔をすると、すぐにいつもの笑顔に戻りそう言って俺の頭を撫でた。
「いつでも俺にとっての一番はお前だから頼ってこいよ」
「うん。ありがとう、先輩」
「おう・・・おい、馬鹿。英知来てんだろ?何処だ」
先輩は最後に一度俺を抱き締めると、柊にそんなことを聞いてから部屋を出ていった。
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