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「・・・それに関しては俺も配慮が足りなかった」
みーくんは悔しそうな顔をしてそう言うと瑞希ちゃんと充に頭を下げた。
「・・・まあ、いいです。それで?黒神の話とはなんなのですか?」
みーくんの紳士的な態度に瑞希ちゃんも納得したのかそう言うと、みーくんが先程話そうとしていた続きを促した。
「ああ・・・大和はもうここにはいない」
「・・・えっ!?」
「は?どういうことだよ」
みーくんの言葉に俺は目を丸め、充も怪訝そうにみーくんにそう聞き、瑞希ちゃんも眉を寄せていた。
「俺は大和のそばにいてめぐみに近づけないようにしていたのと同時にあいつの身辺を探っていたんだ」
「それに関しては俺が説明するよー」
みーくんがそう言ったと同時に何故か部屋の中に柊が入ってきた。
柊は鷹野に捕まっている爽川を見ると、鷹野に「そいつ理事長室に連れてってくれるー?」と頼み、俺の隣にやって来た。
「・・・めぐちゃん、気づかなくてごめん」
「ひぃ?」
「俺、めぐちゃんを守りたくて来たのに・・・」
柊は俺に抱きつくと、俺にしか聞こえないような小さいか細い声でそう言った。
俺はそんな柊の頭を無言で撫でてやった。
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