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「遅い」


部屋に着いた俺は、ソファーに体をあずけた瞬間についウトウトしてしまい、約束の時間を寝過ごしてしまったのだ。


「ごめん、充」

「ばかめぐ」

「もう、機嫌悪すぎ。許してよ、ね?」

「・・・・・・っ、おう」


充は時間にうるさい。
約束の時間をちょっとでも過ぎると機嫌が悪くなってしまう。

俺は謝罪の意をこめて、謝って充の頬にキスをした。
充が顔を真っ赤にしたのを見て、「勝った」とか思ったのは内緒。


「・・・めぐみ」


すると、今の一連のやりとりを見ていた夕陽が驚いたように俺の名前を呼んだ。


「あ、夕陽もごめんね?」

「いや、別にいいんだけど・・・」

「あ、キス?あれは俺と充のスキンシップだから気にしないで」


俺がヘラッと笑ってそう言うと、夕陽は「わかった」と頷いてくれた。


「それより、めぐみと片岡って付き合ってんの?」

「「ないから」」

「ふぅん、」



 


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