30
晩ごはんのときにまた迎えに来ると俺に告げて瑞希ちゃんは俺を部屋に押し込むとどこかへ行ってしまった。
最後に絶対部屋から出ないようにと俺に念を押して。
「ほーんと、瑞希ちゃんは心配しすぎだよねー」
俺はそんなことを呟きながら部屋の奥に向かい、着替えることもせずにソファーに体を預けた。
ピンポーン・・・
一息ついたところでインターホンが鳴り響き、俺は不思議に思いながらも玄関に近づいた。
「瑞希ちゃーん?何か忘れ物でもしたの?」
「やあ、花くん」
俺は玄関の外を確認せず扉を開けたことをものすごく後悔した。
玄関の前にはやはり胡散臭い笑顔の爽川が立っていたのだ。
[ 209/271 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
戻る