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「すみません、止まってください」
全員がゴールして競技が終わり、服を着替えようと歩き出した俺たちをゴールのところにいた生徒が止めた。
「なに?何かあったの?」
「そうではないんですが、時間の都合上みなさんにはこのまま最後の生徒会種目に出ていただくことになりまして・・・」
ゴールにいた生徒はビクビクと俺を見ながらそう言った。
そりゃそうだろ、だって俺会長様だもんね。
「・・・は、ぁあ!?なにそれ、誰が決めたわけ?」
一瞬ポカンとして、すぐに生徒が言ったことを理解した俺は少しだけ遅れてそう言った。すると、生徒はビクッと体を震わせて「ふ、副会長が・・・」と呟いた。
「夕陽かよ・・・」
「花ぁ、諦めるしかないみたいだよぉ?」
副会長=夕陽だと理解した俺はガックリと肩を落とした。朝陽も抵抗しても無駄だとわかっているのか俺に諦めるように言ってきた。
「・・・とりあえず、本部のテントに行くか」
「そうだねぇ」
俺たちはコスプレしたままの生徒たちにあまり一人で行動しないように呼び掛け、生徒会が全員揃っているであろう本部のテントに向かった。
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