11
そんなことをしていると、俺の走る番になり、俺は柊から離れてスタートラインに立った。
『位置について、よーいドン!』
俺はスタートの合図の瞬間に走り出した。
が、俺は別に運動神経がいいわけではないので指示の書かれた紙の置いてある場所についたのは三番目だった。
『花会長が三番手で紙の場所に着きました!さて、花会長の紙に書かれた指示はいったいなんなのでしょう!?』
俺は大袈裟な放送に苦笑いしながらも、ゆっくりと紙を開いた。
中には『好きな人(ゴールの後その相手とキスすること)』と書かれていた。
は、ぁ!?誰だよこれ書いたの!?・・・って夕陽か。あいつ、なんか楽しそうに書いてると思ったらこういうことかよー・・・
俺は夕陽の行動に少し呆れながらも、ぐるりと周りを見回した。
「・・・俺の、好きな人、か・・・」
俺は一言そう呟き、決意を決めて本部のテントの方に走り出した。
[ 190/271 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
戻る