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「おい、めぐ!」
「うわ、本当にめぐみだ!」
「・・・めぐ、髪・・・」
すると、その周りのざわめきを聞き付けたのか、充と夕陽、静が俺の元に近寄ってきた。その後ろには今にも泣きそうなアヤちゃんとなぜか渋い顔をしている爽川がいた。
「めぐ、なんだその髪!!」
「あはっ、イメチェンだよ。ちょっとさっぱりしたくてひぃに切ってもらったんだよ」
「そんなわけあるか!」
「そんなわけないでしょう!」
俺がヘラッと笑って言うと、充と瑞希ちゃんが同時に俺にそう怒鳴ってきた。
「ほんとだってばー。大体、俺の女装ってみーくんに見つけてもらいたくてしてたじゃん?もうそろそろいい機会かなって思ったんだよー」
そんな二人に若干ひきつった笑顔ながらも、ずっと考えていた言い訳を伝えた。
「それで、僕たちが納得すると思ってるの?」
「納得するもなにも本当だってば」
たかが、髪を切られただけだ。それだけのことで充や瑞希ちゃんたちに心配をかけるわけにはいかない。
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