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「・・・で、めぐみは機嫌悪いわけだ」
俺の目の前には呆れたような顔をした夕陽がいた。
その隣にはなぜか俺並みに不機嫌な顔をした静。
「いいじゃん。似合うよそれも」
「嬉しくない!」
そう、俺は今あの男子の制服を来ているのだ。もちろん長いふわふわの髪は見参なわけで・・・全くもって可愛くない。不快だ。
「ていうか、なんで静まで機嫌悪いわけ?」
「めぐ、それイヤ」
「は?・・・あー、なんか前もそんなこと言ってたな」
「・・・目立つ、」
「なに言ってんの?そんなのいつものことじゃん」
ちなみに俺たちがいるのは食堂で、いつものセーラー服やこの学校の制服のスカートバージョン姿じゃない俺のことを生徒たちは好奇の目で見ている。
「なにがそんなに珍しいんだか。てめぇらと同じ制服だっての」
「めぐみ口悪い」
「会長になったからじゃねぇの」
「めぐ、会長みたい」
「えー、それはやなんだけど」
会長は好きだったけど、俺自身があんな横暴になるのはお断りだ。
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