12
side.花 めぐみ
「めぐ!」
いつからこうしていたのかはわからず、いきなり俺の中に聞きなれた声が入ってきた。
「・・・、」
「っ、めぐみ!無事か!?」
その声に耳を傾けると、頭まで被っていた布団が剥がされて、目の前には今にも泣きそうな充がいた。
「・・・み、つる、」
「馬鹿めぐっ、」
「っ、みつ、るぅ・・・!」
充にギュウッと力強く抱きしめられた瞬間、俺はたがが外れたかのように泣き出していた。
「・・・めぐみっ、」
すると、新たな声が聞こえてその方向を見ると、俺の姿を見て驚いたような顔をしている夕陽と相楽先輩がいた。
「っ、めぐみ!」
「、ゆう、ひ・・・」
「馬鹿!僕がどれだけ心配したかわかってんの!?」
「っ、ごめんっ・・・」
夕陽は俺に近づいてくると、言葉とは裏腹に充と同じように俺を抱き締めた。
[ 153/271 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
戻る